双子の煙突の消滅 1/2

2008年夏

紡績産業により発展した倉敷のとある地で

80年の歴史を持つクラレの工場のシンボルであり

その地域のシンボルでもあった

双子の煙突が消滅した

b0161189_2041203.jpg


工場の敷地面積は約17万平方メートル

その広大な敷地はコンクリートの壁に

ぐるりと囲まれていた

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」の一角獣の棲む街のように


b0161189_20152283.jpg





工場の傍には

従業者の家族のために

工場と同じくらい広い社宅が隣接していた

そこは、数十棟の木造一軒家と数棟の集合住宅のほかに

グラウンド、体育館、テニスコート

銭湯、食料・雑貨売店、魚屋、幼稚園

が配置された不思議な世界

b0161189_2023326.jpg


時代のせいか企業社宅としては開放的で

小学生の通学路に指定されていたり

グラウンドで野球をしたり走ったり

夕暮れには犬の散歩をしたり

近隣住民も自由に使っていた

b0161189_20235048.jpg


樹齢70年以上のクスノキなど

3桁を越える多くの樹木がうっそうと茂り

夏には何種類ものセミやカミキリがそこらじゅうにいた

「生物多様性」なんて言葉すら浸透していなかった


高度経済成長期絶頂のこの国に

最後のコミュニティが残っていた

80年代のはなし

b0161189_20443749.jpg


双子の煙突の消滅 2/2
[PR]
by zooey0719 | 2009-03-25 21:07 | 雑記 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://yudetena.exblog.jp/tb/10588365
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]